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皆さんは、給与と業務委託の違い、についてご存じでしょうか?
以前、雇用契約は給与所得、業委託契約は事業所得または雑所得とお話しいたしましたが、そもそも、この給与と業務委託の違いっていうのは何だ?
というご質問が多々ありましたので、それにお答え致します。
給与と業務委託の違い
給与と業務委託を線引きするには、4つの検討項目があります。
- 時間の拘束
- 指揮・監督
- 成果報酬
- 材料・用具等の提供
このそれぞれにおいてどういう条件を満たすと業務委託と見なせるか、解説していきたいと思います。
①時間の拘束
勤務時間が何時から何時という具合に拘束されている場合は給与の取扱いになることが多いです。一方、業務委託の場合は、時間に拘束がありません。一週間以内に、とか今月中に、とか大きい縛りでの時間の拘束はありますが、いついつの何時から何時は仕事してくださいね!というような細かい時間の縛りはありません。
②指揮・監督
指揮監督がどちら側にあるかで、給与か業務委託か変わってきます。
例えば、勤務先に指揮命令系統がある場合は、給与所得に
一方、請け負う自分側に指揮命令系統がある場合は、業務委託とみなされることが多いです。
具体的には、①と少しかぶりますが
・いついつに、どこで、どういう業務をやってください!
というような指令が下っている場合は、給与になります。
・いつまでに、こういう物を完成させておいて下さい!
その完成させる途中経過は一切気にしませんよ!
というのが、業務委託契約になります。
③成果報酬
これは、やった成果分だけお金をもらうという事です。
例えば、通常のドクターのアルバイトの場合、
午前中9時~12時までの外来業務を想定します。
・その時間に診察したとして、何人の患者さんをみようが払われる賃金は同じです。このように成果報酬ではなく、時間あたりに報酬が支払われる場合は、給与となります。
・そうではなく、《一件あたり》や、一つの成果物を出すのに、いくらという形で
掛け算で報酬が出てくるのが業務委託になります。
④材料・用具等の提供
材料・用具等が雇用主側にある場合は、給与になります。
前回の少しお話ししました、麻酔の先生の例を挙げましたが、麻酔科の先生は、以前は業務委託でお仕事をされていましたが、現行は全て、給与所得でなければなりません。麻酔をかけるのは、病院の設備を使って麻酔をかけている、という事で、材料・用具は全て病院側で提供しているので給与になります。
一方、材料・用具等を自分で提供している場合は、業務委託になる事が多いです。
判断基準
この4つの項目で、給与か業務委託かが判断されます。
では、業務委託の仕事があるのか?という質問が出そうですけども、遠隔読影の仕事は、業務委託と判断されます。
①時間の拘束がありません。いついつまでに仕上げといてくださいね。というような大きい目安しかないです。
②指揮監督権は自分側にあります。
いつまでにそれを完成させれば、いつどこでどういう風にそれを作り上げても関係ないわけです。
③成果報酬も、人患者あたり、もしくは、一例あたりいくらという報酬が発生しまして
それを10人100人1000人読んでいれば、掛け算で報酬がでてくるという形になります。
④材料用具等も自分で負担しています。
遠隔読影の場合は、遠隔読影のパソコンや端末などはご自身で設置されていることが多いでしょうからこの④も該当します。
まとめ
遠隔読影の仕事は業務委託になりますが、それ以外の仕事は、ドクターがやれる医師免許を使った仕事というのは、ほとんどが給与所得になってしまいます。例外的に労働衛生コンサルタントは業務委託になりますが、それは別の記事で説明したいと思います。
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この記事の監修医師
犬飼 遼(放射線診断専門医 / 一般内科医 / 産業医)
【経歴】
2011年自治医科大学卒業、医師免許取得。
専門領域は放射線診断学およびIVRであり、放射線診断専門医免許を持つ。
株式会社やクリニックなど複数事業の経験あり。
医療ベンチャーとしてテレビCMを放送した経験あり。
現在、県や市などの行政と提携して事業展開中。
起業実績一覧 |
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・クリニック事業 :2019年、2020年にクリニック2つを立ち上げ、現在は事業承継済み。 ・遠隔画像診断事業 :2021年に売却 ・医療訴訟コンサル事業 :2021年に事業継承 ・有料職業紹介事業 :2022年に売却 ・医療相談事業 :テレビ取材・新聞掲載多数。テレビCM放送経験あり。現在、行政と提携して事業展開中。 |